子どもってやっぱり面白いですね。
今日のお給食の時間、用事があって年中のあるクラスに行きました。
担任の先生が冗談で、
「今日のお給食は園長先生が作ってくれたんだよ!」
なんて言うもんですから、子ども達はその冗談を真に受けて、
「海苔巻きよりイクラがいい!」
「お稲荷さんじゃないのがいい!」
「なんでマグロじゃないの!」とわけのわからない大クレームが入りました。
ちなみに今日のお給食は助六寿司。
そんな子ども達の様子を見て、
「お給食は先生が作ったんじゃないよ」なんて言えるわけもなく、
「そ、そうなの、分かった次はマグロのお寿司ができるか考えとくね。」
と子ども達の迫力に負けて、安易にその場から逃げてしまいました。
しばらくして、私も職員室でお給食を食べていると、
さっきのクラスのS君がガラス越しに私をじーっと見ています。
「S君どうしたの?」と声をかけるとさっと隠れてしまいます。
またしばらくすると目から上だけを窓から出して
こっちを見ているというより睨んでいます。
「S君どうしたの?なんかようがあるの?」と聞くと、
「マグロ!」
「?」
「ま・ぐ・ろ!」
「マグロがどうしたの?」
「マグロは!」
ここでやっと気が付きました。
たぶんS君はさっきのお話を本当の事だと信じ込み、
自分が食べていないおいしい“まぐろ”を
園長だけがこっそり食べていると思ったようです。
真剣な彼の事を思うと本当は笑ってはいけないのですが、
ごめんなさい、笑ってしまいました。
すごい執念というか、思い込みというか、子どもってすごい!
その後ちゃんと今日のお給食は園長先生は作っていませんよ、
S君とおんなじお給食を食べているんだよ。
と本当の事をS君にお話ししました。
S君は半分納得して半分疑った様子で教室に帰っていきました。
その背中の寂しそうなこと・・・
冗談も通じる相手と通じない相手がいることを改めて痛感しました。
特に小さい子ども達には冗談を真に受けてしまう子も中にはいて、
冗談を投げっぱなしにしてはいけないということを今日のS君に教えられました。
S君本当にごめんなさい。
園長先生はお給食作ったことありません。
お給食センターのおじさんたちが毎日一生懸命作ってくれているんです。
けど、今度マグロのお寿司をお給食で出してくれるか、聞いておきますね。
子どもって本当に本当にまっすぐで、本当に本当にかわいくて、
本当に本当に面白いですね。