泣いた赤鬼
文・浜田 廣介
画・浦沢 直樹
小学館
とても有名な児童文学の絵本です。
学校教科書にも採用されたことのある
とても内容の深いお話です。
ちなみに、このお話はいろいろな方が絵本にしており、
今回ご紹介するのは、少し異色の方が手掛けたものを
ご紹介させていただきます。
心の優しい若い赤鬼が人間と仲良くなりたくて家の前に立札を立てます
ドナタデモ オイデ クダサイ。
しかしそれを見た村人たちはいぶかり
鬼の家に入ろうとしません。
それに苛立ち赤鬼はつい大きな声を出してしまい、
村人たちが逃げ出してしまいました。
赤鬼はひとり悲しみ暮れていたところへ、
仲間の青鬼が訪ねてきます。
赤鬼の思いを知った青鬼は、
自分を悪者にして赤鬼をよい鬼だと村人に分からせるよう
一芝居打ちます。
それが成功し、赤鬼は村人と仲良くなることができるのですが、
青鬼の手紙を読んで赤鬼は涙します。
赤鬼の涙の理由はなんだったのでしょうか?
つい人は見た目で相手を判断してしまいます。
本当の優しさ、本当の友情、本当の愛は目では見ることができません。
幼稚園の子ども達に読んで聞かせるには少し難しい内容ですが、
小学3年生くらいであれば十分理解ができると思います。
本当の優しさとは何なのか、
お子さんと一緒に考えるにはとてもよい題材だと思います。
また、このお話のその後を考えるのも
とても面白いと思います。
今回ご紹介させていただいたこの絵本の絵を描かれたのが、
YAWARA!や20世紀少年などを描かれた
漫画家の浦沢直樹さんです。
とても難しい内容のお話ですが、
挿絵がとても分かりやすく、
鬼の表情などからも鬼の心の声が聞こえてくるような絵になっています。
そんなところからも感覚的にこのお話を理解できると思います。
是非お子さんと漫画を読むような感覚で
このお話を読んでみるのもいいかもしれませんね。